私はファッションが好きです。子どもの頃からファッションに関わるものには広く興味がありました。多少それがマニアックな趣味だと言われつつあります。
私がファッションにおいて好きなものの一つに「テキスタイル」があります。その製造工程を見ていくことが、とても好きです。とても楽しいテキスタイルに関わるよもやま話を、このコラムで皆様にお伝えしています。
ファッションには、それを構成するに不可欠とある「3大要素」があります。
1 デザイン
2 色
3 テキスタイル
の3つです。
すごく納得するこの3つの要素です。
その中での色についてのお話です。
私は、お客様に似合う色の提案をするためにパーソナルカラー診断をしています。お客様も一緒に鏡を見ながら診断していくのですが、色によってお顔映りがこんなに変わるの?と驚かれています。色によってその人それぞれに似合う色というのがあります。色の効果、影響はとても大きいので、まずはそれを知ってもらいたいし、素敵に見えるために色を使っていくようなお話をするようにしています。色の効果を味方につけて、今よりもファッションを楽しんでもらいたいという思いです。
さて、その「色」ですが、洋服の色は一体どのように付けられているのでしょうか。皆さんはご存知でしょうか。
綿を例にしてお話します。もともと白っぽい綿花を紡いでいくのですが、色はどこで付くのでしょうか。
色を付ける方法は大きく2つあります。
1つは「糸を染色する」。
コーン状に巻かれた糸を、染料の中に入れて染色します。アパレル会社で勤務していた中で、染料工場を見学する機会がありました。天然の繊維であるため、染まり方にはその日の天候や湿度・温度に影響されるため、染料の配合や時間を調整しながら染めるのだそうです。試行錯誤し経験を積まれて技術が構築されています。染色の世界もまた、数々の努力があって確立されて、そのおかげで私たちはすてきな色の服を着ることができるのか!ととても感動した記憶があります。
関係ない話ですが、綿はその特性から糸の真ん中まで染料が届きません。真ん中は染まらないのです。周りにしか色が入らないので、摩擦が加わると(こすられると)、白っぽくなってしまいます(白化といいます)。デニムの膝が白く色抜けしている人は、膝をつく癖があるのでしょう。デニムの色を大事に残したいのでしたら、ちょっと気を付けて膝をつかないようにしましょう。
2つは反物になってから色をかける(プリントする、捺染)。
白い反物を拡げて上から色をつけていくのです。版画では掘った版に色をつけて用紙を載せて柄を移しますが、そんなイメージです。かわいいキャラクターの画をプリントしていく、みたいな色の付け方があります。このようなプリントをして色を載せた反物の裏側は白いままです。表側にしか色が付かないのです。
生地屋さんに行ったときには、裏側の色についても見てください。白く色がついていないものも多くあります。この方法で色を付けるほうが、コストがかからないため生地の価格も、相対的にですが安さを感じると思います。
色の付け方にも、どの段階で染めるのか、またその染めの方法もたくさんあります。ファッションは外観が大事なのでまずは表側に見える色が大事ですが、その色はどうやって付けられてのか、を考えてみると、服を選ぶときにちょっと楽しくなりますよ。